電気メッキの工業化



愛知県岩田村より出た宮川由多加氏は、東京帝大
医科薬学部に学んだ後、電気メッキの研究を始めた。

宮川氏の実弟、宮川操三氏は兄を慕って単身上京し、
明治十八年頃より電気メッキの研究に没頭し、東京帝大
化学教室教授の久原博士と平野講師の指導を受けた。


明治二十年皇居御造営のことあり、兄弟は皇居内の
装飾金具に施す純金電気メッキを担当し七ヶ月後にこれ
を完了した。

そしてその年に宮川由多加氏は、東京市下谷竹町に
宮川電機工場を創業し、宮川操三氏はその技術部を
受け持った。
これが電気メッキが工業化された最初であるといわれ
ている。